お知らせ

世界34カ国から830社が出展 日本最大のファッション展「ファッションワールド東京 2018 春」

4月4日(水)~6日(金)にかけて東京ビッグサイトで開催されていた日本最大ファッション展ファッションワールド東京2018【春】に行ってきました。ファッションワールド東京2018【春】では各メーカーが趣向を凝らして展示を行うブースが数多く展開され、また毎回豪華講師陣を迎えて行うセミナーも好評です。

今回は、㈱ユナイテッドアローズ ユナイテッドアローズアンドサンズのディレクター 小木”POGGY”基史氏とモデレーターのWWDジャパン編集長 ㈱INFASパブリケーションズの向 千鶴氏を迎え「”POGGY”流「ブランドディレクション」とファッションシーンのいま」

と㈱ビームス EC統括部 部長 矢島 正明氏、㈱アーバンリサーチ 事業本部WEB事業部 部長 坂本 満広氏、㈱ベイクルーズ EC統括 執行役員 加藤利典氏、モデレーターの㈱メガネスーパー デジタル・コマースグループ ゼネラルマネージャー 川添隆氏を迎え「ファッション小売りに求められる、次世代型の“ECと実店舗の体験”とは」の2講演をメインに聞いてきました。どちらの講演もスタート前には超満員になるなど、すごい盛り上がりでした!

小木氏と向氏の講演では、小木氏から“ディレクションを組み立てる上で、世の中で今何が起きているのかを理解することが重要”という話をきっかけに、今メディアでたびたび取り沙汰されている「ラグジュアリーストリート」について、イタリア・ミラノのカジュアルが変化しつつある現状(イタリアの有名ファクトリーがアメリカのストリートと手を組む等)や最近話題となったLouis VuittonとSupremeとのコラボ、ローライフ(80年~90年代のアメリカで盗んだポロラルフローレンしか着ない人々)が着ていたデザインをラルフローレンが復刻させる等、世界のビッグメゾンがストリートという表面だけでなく、その背景にあるカルチャーまで理解をして取り入れるようになってきた変化についてわかりやすく解説がありました。また、現在世界的に最も影響力のあるオンラインファッションマガジンのひとつ「Hypebeast(ハイプビースト)」についてのお話(元々設立者兼編集長のケヴィン・マーが趣味のスニーカーを紹介するウェブサイトとして世に出てきて、今や自らマガジンを創刊したり、ビッグメゾンの撮影協力を得られるまでの支持を得られるようになった背景等・・・。)等まだまだ聞いてみたい内容が盛りだくさんでしたが、講演時間が45分しかなかったのは、少し残念でした・・・。

次の講演では、㈱ビームス、㈱アーバンリサーチ、㈱ベイクルーズといったセレクトの雄のEC領域の責任者が自社での取り組みについてお話されました。

講演を聞かせていただき、各社に共通していたのは、組織の直営化(内製化)の重要性です。直営化をすることで、実装に向けたスピードを高めることができ、共通認識でプロジェクトを進めていくことが容易になる為、各社まず最初に直営化に着手したというところが印象的でした。ECという分野は日々進化し、様々なサービスがローンチされ、また収益性も非常に高く、各社EC売上が年々拡大している背景もあるため、そこに向けてのスピードを重要視しているという想いを強く感じました。

また、在庫データやサービスを実店舗と統合することにより、よりユーザビリティを上げていく施策や顧客データを駆使した効果的な広告出稿等、データを活用する幅が広がってきているなとも感じました。

また、EC領域が広がる中、実店舗との新しい関わり方を模索している企業もあるなど、まだまだEC分野における伸びしろを感じることができました。

今回、まったく違う分野の講演を聞きましたが、「ファッション」のパワーを再認識する良い機会でした。他業界に比べると良いニュースが少ないように感じがちですが、その中でも日々様々な企業がチャレンジをして形を変えながら生き続けているファッションの底力を垣間見ることができました。

ファッション・アパレル業界に携わる者として、日々変化するファッションビジネスに対応できるよう今後も様々なアンテナを張っていきたいと思います。